令和6年2月18日(日)13時15分~ 2月定例会

 

 親の介護について

 親の年齢から、そろそろ介護のことを考えているが、これからどのように行動していけば聞きたいとのこと

 その方は、40代後半、親は70代。

 父親は無職だが、母親はパートで1日3~4時間程度働いているとのこと。

 父親が、最近、施設のことについて語り出したことで、自分も考えなければならないと思った。

 親の介護の関係は、ある程度の年齢が来れば、子供として受け入れなければならない問題です。

 そして、兄弟姉妹とそのような役割を配分するのか

私の経験を踏まえて、こうアドバイスしました。

①まずは、金銭問題を明確化すること。親を施設に入居するにしても、自宅介護するにしても、まとまった金額は必要となる。

 親の財産(主に貯金や年金)を明確にすること。

 そのためには、親と綿密な話し合いをしなければなりませんが、これが難しい。

 自分の経験からいうと、子供はただ遺産狙いをしているように感じ、それで喧嘩にもなりました。特に我々は親が自分と同じ発達障害であることが多く、コミュ障同士が話しをまとめるのはとても難しいところです。

②兄弟姉妹の役割も明確化しておくこと

 一人っ子ならば問題ないのですが、兄弟間で誰がどのような役割を引き受けるのか?親と子の関係+兄弟同士の関係で揉めることはよくある話です。

③ 介護施設に入居させる場合、その介護施設が信頼できるかを最大限吟味すること。

  介護職員による入居者へのが虐待などはよく報道されますが、私が経験したのは、介護施設長が母の財産を横取りしたこと。施設長はその当時既に要介護4で認知症が進んでいる母と母の財産を管理する契約(民事信託契約と呼びます)を締結しました。

 その後は、息子でも財産は係わることができなくなりました。高齢の親を持つ方は介護の話がでたときは充分気をつけるべきだと思います。

2 ワークショップについて

  知人からワークショップの講師を紹介されたので、その講座を実施することとしました。 

 「ゼンタンクル 誰にでもすぐに描けて集中できる!幾何学模様のおえかき会」

 説明が難しいのですが、ある一定の形を模倣しながら、キャンパス(紙)一体に継続して描いていく。模様が描かれている様は、教会のステンドグラスやアイヌの衣服にも見えました。

 「ゼンタンクル」は、仏教の「禅」から言葉が由来していることもあり、瞑想の一種と捉えてもいいかと思います

 瞑想は、心を落ち着けるツールとして宗教やスピリチュアルからはもちろん心理学の観点から(マインドフルネスなど)推奨されています。

 ただ、我々ADHDはこの瞑想がだいたい苦手なのではないかと思います。通常でもじっとしていられないのだから、ましてや心を無にするなど、仏陀レベルにはなることであり少なくとも私はできませんでした。

 しかし、「無我」にはなれないけれど、「無心」には少しの時間にはなれるかもしれません。

「無心」となる時間が我々には必要です。いつも、テンパっていてはいけないのでしょう。テンパらず日常を過ごしていけば人生平和に生きていけると感じました。 

 

 

令和6年1月21日(日)13時15分~ 定例会

午前9時30分から

場所 札幌市社会福祉総合センター 研修室A

【1人目】

 息子(大学3年生)のことだが、先に希望が持てない模様。ネガティブなことばかり言うので、なんとかポジティブな思いになってほしいとのこと。

 人生の先に希望が持てないのは、思春期にはよくあることですが、ここからは、我々特有の悩み

 1 あるサークルに入っているが、人間関係がうまくいってない。

 2 アルバイトでも、きちんと仕事ができていないようだ

1 のことをもっと詳しく聞いてみると、サークルの飲み会が面白くないとのこと。

2 は、販売の仕事をしているが、納品の注文や経理を間違えるとのこと

 1については、みんなに嫌われているのか?必ず自分に合わない人間はいます。それに対して、どう対処するか?10人いたら1人は嫌われる。その他9人と仲悪くならなければいいだけのことです。

 また、サークル内の飲み会を「必要ないのに行かなければならないのか?」などの発言もあったのですが、これも我々がよく言うことですが、書籍「発達障害のすごい方法」の著者借金玉氏の言葉を借りれば、「茶番センサー」とのこと。

 人間が生活する上では、「茶番」または「儀式」のようなことは必ずあり、それをクリアすることで人間は仲間と認めるようになる。

 ある程度は、それは通らなければならないことと考えるべきです。もちろん程度問題はあり、例えば、歓迎会と称してアルコールの一気飲み(私の若い頃にはありました)までいくと生命の危険があるので、退避すべきですが。

 2について、自分の適した仕事を探すことです。事務的なケアレスミスがあるのは、多少の工夫や努力はするべきですが、根本的に治すことができないのならば、若いのならばスパッと方向を変える勇気も必要でしょう。

 ただ、この人は、アルバイトの店主に「ポンコツだがかわいい」と言われたとのこと。

 人間性を認めてくれるのは、とても重要なこと。この上司や社長に可愛がられるのは特技といっていいかもしれません。

 よく我々は職場でうまくいかない場合は「仕事」「人間関係」どちらかを選択をしなければならないことになります。

 「仕事」を選べればいいのですが、それには多くの努力、才能、運が必要です。

 人間関係がうまくいくのならば、それでよしと考えるのもありではないかとも思います。

【二人目】

 ここからはなんとなく雑談になりました。

 メモしていないので、あまり覚えていませんが、二次障害と薬の話とか、主治医の話、親から子に発達障害は遺伝するか?など

 先程のポジティブな考え方もまた話しました

 私が実践しているのは「三行日記」。

 寝る前に今日あったことで、良かったことを3項目書くことです

 よく、いいことなんて一日3個もない!と反論されそうですが

 どんな小さなこと、例えば

「今日は天気が良かった」

「三食頂けた」

また、不幸が起こらなかったこと、例えば

「交通事故」に合わなかった

とか、もっと大きなことを言えば

「戦争がない」

「生きている」

とかいくらでも見つけられます。

 考え方の癖を「自動思考」といいますが、これをポジティブに変えていく。その癖をつけることが良いかと思います。

 慎重に、最悪のことを想定することは必要ですが、度を過ぎると泥沼にハマっていくので注意が必要です

 【その他】

常連さんが「コロナ(羅漢者)の発達障害化」のテーマを出していただきました。

自分の職場の同僚がコロナウイルスに罹ったあと、発達障害に似た症状が発症した

1 すぐ忘れる(短期記憶が苦手)

2 怒りっぽくなる(感情がコントロールできない)

3 方向音痴になった(空間認知の欠如)

など、

 コロナに罹ったあと、嗅覚が退化することは、知られているのですが、前述のことが果たして日本や世界の患者に同じような症状があったのか?

 今後突き止められていくでしょう。

 

 

 

 

令和6年1月21日(日)13時15分~ 定例会

午前9時30分から

場所 札幌市社会福祉総合センター 研修室A

【1人目】

 息子(大学3年生)のことだが、先に希望が持てない模様。ネガティブなことばかり言うので、なんとかポジティブな思いになってほしいとのこと。

 人生の先に希望が持てないのは、思春期にはよくあることですが、ここからは、我々特有の悩み

 1 あるサークルに入っているが、人間関係がうまくいってない。

 2 アルバイトでも、きちんと仕事ができていないようだ

1 のことをもっと詳しく聞いてみると、サークルの飲み会が面白くないとのこと。

2 は、販売の仕事をしているが、納品の注文や経理を間違えるとのこと

 1については、みんなに嫌われているのか?必ず自分に合わない人間はいます。それに対して、どう対処するか?10人いたら1人は嫌われる。その他9人と仲悪くならなければいいだけのことです。

 また、サークル内の飲み会を「必要ないのに行かなければならないのか?」などの発言もあったのですが、これも我々がよく言うことですが、書籍「発達障害のすごい方法」の著者借金玉氏の言葉を借りれば、「茶番センサー」とのこと。

 人間が生活する上では、「茶番」または「儀式」のようなことは必ずあり、それをクリアすることで人間は仲間と認めるようになる。

 ある程度は、それは通らなければならないことと考えるべきです。もちろん程度問題はあり、例えば、歓迎会と称してアルコールの一気飲み(私の若い頃にはありました)までいくと生命の危険があるので、退避すべきですが。

 2について、自分の適した仕事を探すことです。事務的なケアレスミスがあるのは、多少の工夫や努力はするべきですが、根本的に治すことができないのならば、若いのならばスパッと方向を変える勇気も必要でしょう。

 ただ、この人は、アルバイトの店主に「ポンコツだがかわいい」と言われたとのこと。

 人間性を認めてくれるのは、とても重要なこと。この上司や社長に可愛がられるのは特技といっていいかもしれません。

 よく我々は職場でうまくいかない場合は「仕事」「人間関係」どちらかを選択をしなければならないことになります。

 「仕事」を選べればいいのですが、それには多くの努力、才能、運が必要です。

 人間関係がうまくいくのならば、それでよしと考えるのもありではないかとも思います。

【二人目】

 ここからはなんとなく雑談になりました。

 メモしていないので、あまり覚えていませんが、二次障害と薬の話とか、主治医の話、親から子に発達障害は遺伝するか?など

 先程のポジティブな考え方もまた話しました

 私が実践しているのは「三行日記」。

 寝る前に今日あったことで、良かったことを3項目書くことです

 よく、いいことなんて一日3個もない!と反論されそうですが

 どんな小さなこと、例えば

「今日は天気が良かった」

「三食頂けた」

また、不幸が起こらなかったこと、例えば

「交通事故」に合わなかった

とか、もっと大きなことを言えば

「戦争がない」

「生きている」

とかいくらでも見つけられます。

 考え方の癖を「自動思考」といいますが、これをポジティブに変えていく。その癖をつけることが良いかと思います。

 慎重に、最悪のことを想定することは必要ですが、度を過ぎると泥沼にハマっていくので注意が必要です

 【その他】

常連さんが「コロナ(羅漢者)の発達障害化」のテーマを出していただきました。

自分の職場の同僚がコロナウイルスに罹ったあと、発達障害に似た症状が発症した

1 すぐ忘れる(短期記憶が苦手)

2 怒りっぽくなる(感情がコントロールできない)

3 方向音痴になった(空間認知の欠如)

など、

 コロナに罹ったあと、嗅覚が退化することは、知られているのですが、前述のことが果たして日本や世界の患者に同じような症状があったのか?

 今後突き止められていくでしょう。

 

 

 

 

令和5年11月26日 9時30分 定例会

午前9時30分から

場所 札幌市社会福祉総合センター 研修室B

 

 前回、私の負傷で、急遽中止とさせてしまいました。誠に申し訳ありません。

さて、今回も日曜の午前中にもかかわらず集まっていただきました。

(一人目)

 職場の転職について

 今就労しているところの環境が悪いので転職したいとのこと。

 具体的には

・主に倉庫内清掃を担当しているのだが、従業員の定着が悪い。それが原因で自分が数人分の仕事をする羽目になっている。

・人が減っている分自分が時間を延長しなければならないが、残業の許しがもらえない

・人員不足のため清掃・メンテナンス部門が手薄になっているので、トイレが汚かったり、壁が剥がれたりしている。

・社員同士の雰囲気も悪い。ぎすぎすしている

 この方の会社名は誰もが知っている会社でプライム上場企業(昔で言う一部上場企業)であり、コロナの中でも株価は上昇が続いており、優良企業だと自分は認識しておりましたが、その中はブラックなようです。

 その方は相談というより、もう意思が決まっていたようでした。自分としても、転職するかしないかは結局その人の判断だけれど、多くの業界で人手不足に陥っている今が転職時とアドバイスしました。

 転職する際に、会社内の雰囲気や掃除が行き届いているかを確かめることが必要と聞きましたが、この例から見ても、出来ることならば、就職前、面接前にその会社を訪ねることで何か感じるものではないでしょうか。

 (二人目)

部屋の整理整頓・掃除をしたいと思っているが、日程(スケジュール)をどのように組めばいいか

 整理整頓や掃除は、ある程度事前に日程に組み入れておくことです。時間ができたら実施しようと考えるといつまでたっても実施できません。

 仕事のスケジュールは、半日勤務が週1回あるそうで、そこに掃除を組みいれておきます。

 また、その方は相談支援事業所のヘルパーを使用し、現在調理補助を週につき数時間お願いしているとのことですが、それを掃除補助でも活用できないかとも提案しておきました。

 他人が定期的に訪問することで、定期的に掃除の習慣になります。

(三人目)

 以前に相談したことの続きであるが、職場に気にくわない人間の言動が気になるとのこと。

 他人は他人、他人を変えることはできないので自分を変えるのはどうすればいいか?

 ここで、人に干渉するのは、時間がある、暇だからではないか?との意見でした。

 自分のことにだけ、何かに集中していれば、他人のことは気にしなくなる。

 我々は、他人に関心がない分、いろいろなことに集中できる。集中しすぎて他のことをおろそかになるのが常套トラブルですが、人の目を気にする人も多く存在するのも事実でしょう。

 何か目的のある人生にする。そうすればくだらないことには関心がなくなる。理想論ですが定番でしょう。

 

令和5年7月定例会

と き  令和5年8月12日(土) 13時00分から

ところ  札幌市社会福祉センター 4階 ボランティア研修室 

 

 お盆休みの最中に会を開催したせいなのか、今回は参加者が一人でした。

 三連休の真ん中だから、特に何もすることがない、それでいてどこに行っても混雑しているから、暇つぶしとして我が会に来る人は多いかな?と期待もしていたのですが、予想が外れました。

 土曜日の午前に開催したら多数の人数が集まったり、ほんとうに何人来るかわからないものです。

 今回は、参加者ひとりなので、雑談のようなかたちでまったりとお話しました。

 今は仕事をやめているとのこと。そして、会話の練習、機会を得るためわが会に来たとのこと。

 それを助言されたのは、あるユーチューバーで色々な活動をされている発達障害のメンターからだとのこと。

 このメンターなる人、ユーチューバーとしては知っていましたが、そのような活動も実施していることは多少の驚きがありました。

 自分はまだまだメンターやインフルエンサーにもなっていないのですが、このような指導力があれば、北海道の発達障害の人間を生きやすくでいるのかとも思いました。

 雑談の形と書きましたが、雑談は高度なコミュニケーションが要求されます。

 自分がよくやってしまう質問攻め→尋問になっていないか少々不安も残りました。

 共感力+雑談力→コミュニケーション能力が試された日でした。

 

令和5年7月定例会

と き  令和5年7月23日(土) 9時30分から

ところ  札幌市社会福祉センター 4階 ボランティア研修室

1 片付けの順番

  何を最初に手をつけていいかわからない、とのこと。

 相談者は、全てのものが大事だと思われるとのこと。自分もそうなのですが、取捨選択をどうすればいいか悩みます

 やはり王道として、箱にとりあえず使わないものをいれておき1年間その箱のなかで使わなかったのならば、その箱ごと捨てる。

 物を捨てられないのがこだわりなのか?悩むところです。また、失うことに対しての恐怖、不安がとても強い。

 得ることの嬉しさや快感よりも失うことへの恐怖、不安のほうが大きいのは、学問(行動経済学)でも証明されています。

 不安をどう解消するか?のひとつに時間をかけること、これが1年の歳月をかけることです。

2 休日の過ごし方

 なんとなく過ごしている。もったいないとのこと。何かを実施すればいいのだけれどもその何かがまだわからない。

 趣味を見つければ良いのですが、趣味は見つけようとすると、意外に見つけられない。

 職場や将来のための勉強をすることを勧めておきました。

 相談者は、他人より覚えが悪いとのことですが、それでも実施しないよりした方が良いのです。ただ惰性に過ごすよりも少しでも身につくことをしたほうが、人生のためになると思います。

 勉強法は多種にありますので、その中で自分にあった方法を探すのが最適でしょう。

3 羨ましい(妬む)気持ちを沈めるためは

 同じ職場の同僚、年齢も同じくらいの言動等に苛立ちとともに羨ましい気持ちがでてくる

 それを鎮めるにはどうすれば良いか?

  具体的な事例として、その同僚は

 ① お嬢様言葉を使う

 ② 同じ職場なのに、他の職種(担当)をディスり、マウントをとろうとする。

 ③ 自分が仕事でミスをすると「自分は発達障害だから」と言い訳をする。

この女性はある意味、”発達障害あるある”だとも言えます。

 ①の言葉使いは、その家庭では当たり前かもしれない。定型は成長するとともに、周りの同級生や同僚を見て自分の家庭の特殊性に気づくが、我々は自分自身の特殊性に気づかない。

②のマウントの取り合いは、人間社会にはよくあること。小さいことから大きなことまで、そして、人間は序列を作るのは本能です。

 今回の彼女の言動は自己満足的なものみたいなので、それ以上発展することはないと思われるので、黙って聞いていたらとの回答でした。心の中で「また、何を言っているんだ??」と笑っていればいいのではとのことでした。

③これこそ、我々の永遠のテーマだと思いました。

 我々は、他人に(合理的)配慮を求めます。法的にはそれが権利なのですが、それが度を過ぎると、「何だあいつは、えらそうに」と反感を買います。しかもそれに気が付かないで権利ばかり主張する。それが原因でいつのまにか孤立してしまう。

 いじめ、仲間はずれは本人が悪いわけではないけれど、原因はあるかもしれない。

 この女性も、今は職場に受けいれられているかもしれませんが、いつか見放されることがあるかもしれない。この例を見て我々は気をつけておくべきでしょう。

4 営業トークについて

 自分で起業したい。そこで、営業の仕方を覚えたいとのこと。参加者が以前営業の仕事ををしていたから、それで実践(ロールプレイ)をしてもらいました。

営業トークはコミュニケーションの一種ですから、様々な種類があります。ハウツーの本やネットも色々な方法が紹介されているので、我々(ADHD)の中には営業種が得意という人もいるので、自分に合う方法も見つかるかもしれません。

 

  令和5年5月定例会

 と き   令和5年5月27日(土) 18時30分から

 ところ   札幌市社会福祉総合センター 4F 研修室A

◎ 支援者(母親)から

 娘が高校で不登校になり、普通科から通信制に転校した。単位が足りなかったので1年留年するかたちとなった。

 同じ時期、娘がメンタル不調を訴えたので、母親である自分も一緒に精神科を受診した。

 その結果、娘はADHD、自分はうつ病及び不安症と診断され、自分はストレスで胃腸炎になった。その原因のひとつとして娘の今の状態と今後どうなるか心配とのこと。

 説明すると今の通信高校は、大学のように教科制でクラス単位での活動がほとんどない。しかし、普通の高校生活を体験させてあげたいとのこと。

 この問いに対し、私の体験を含め、次のように返答がありました。

 ① 留年したことに対して

 若い(特に10代)ときには、1年がとてつもなく大きい遅れに思えるが、大学に進学したら浪人や留年で数年遅れることは珍しくない。また、仕事にしても、いまは転職が当たり前の時代、職場に数年遅れて入社することは、珍しいことではない、と考えてほしい。

 ② 高校生活について

 世間やドラマ、漫画の世界では、部活や学校行事に積極的に参加し、友情を育み恋愛経験もする青春を謳歌するイメージでしょう。

 もちろん、そのような生徒も多数いるでしょう。ただし、そうでない人間もたくさんいる。それどころか「いじめ」「仲間外れ」に遭い(我々はこの体験者がとても多い)、地獄のような学校生活を過ごした人間だってたくさんいる。

 そのようになるよりは、学校生活そのものよりも今の時間を大事にしてほしい。学校以外でも体験できることはたくさんある。せっかくだから、やりたいことを探す期間(古い言葉ではモラトリアム期と言います)にしてほしい。人生のやりたいことを発見したら、それだけで価値のあるものを得たと言えます。学校生活の中でもそれを見つけ出す人はそう多くないと思います。

 やりたいことが見つからないのならば、とにかく様々な体験をしてほしい。いろいろなことをつまみ食いすることでもかまわない。親御さんから見ると飽きっぽい性格に見えるかもしれないが、家庭の経済的事情が許す限り様々なことをチャレンジさせてください。また、居場所を確保、つまり、娘さんを認めてください。とのことをお願いいたしました。

 我々は自己肯定感が低いと言われますが、家庭ですら自我を否定されるとどこに行き場もなくなってしまう。そのことを親は理解してほしいと思います。

◎ 診断を受けるかどうか

 現在、仕事で上手くいっているかとても不安だ。もしかしたら、発達障害ではないかと不安なので、診断を受けようか悩んでいる。

 参加者のなかでは自分も含め、実際に診断が下ったときは「やっぱりか」と納得しました。相談した方は、診断名がくだることにより自分を納得させたいとのこと。

 その気持ちはわかりますが、問題は診断名が付かない。いわゆる「グレーゾーン」になってしまうこと。

 この「グレーゾーン」の診断が下されると「そんなことはない。自分は絶対(発達障害の)診断名がつくはずだ」と、再度別の医者にかかろうとする。

 診断名が付くまで永遠と様々な医院を受診しようする危険性があるのではないかとも伝えておきました。

 なにが不安か具体的の返答は

・他人と比べて能力は劣っているのでは?

・会社内のコミュニティから疎外されているのでは?

・今の職場の勤務値と知識が比例していないのでは?

・後輩にきちん仕事等の内容を説明できるのか?

とのことです。

 この方は、最初派遣社員だったのが、正社員となったとのことなので、これだけで判断すると、前述の内容はただの思い過ごしのようにも見受けられます。

 前述の不安は発達障害とは別で、ある程度の勤続年数がある社会人はだれもが経験することではと考えています。

 また、不安は我々障害者と定型者に区別されるものではなく、だれもが持つもの、いわゆる五感みたいなものと考えても良いものでしょう。不安はそのままで無理に消滅させようとするものではないとの考え方もあります。(ちなみにこの考えは森田療法「あるがまま」の基本的思考です)。

 ただ、発達障害の診断できる医者は極端に少数で、初診を受けるまで数ヶ月経過しなければならないのが現状ですから、初診の予約だけを入れておいて、数カ月じっくり考えて、診断を受けることを決定してもいいのでは、との意見でした。

 

◎今回参加人数が多かったので、A.B、2つのグループに分けて実施し、グループBは、常連のHさんに別室でファシリテータをしていただきました。 

 こちらの参加者は5人でした。

・Hさん(ファシリテータ)

・TSUさん

・Mgさん

・Sさん

・Tさん

 

まず、Mgさんから

「親が毒親」

「干渉が強いので少しづつ距離を取っている。」

「最近は必要最低限しか連絡しないようにしている」

「しかし、その事に罪悪感を感じている自分がいる」

と話題提供がありました。

まずはHさん(ファシリテータ)より毒親という言葉を知らない参加者に説明があり、

「虐待親も含まれるが、虐待してなくても親の意のままになるよう強要され、子供が自分の意志で考えて行動する事ができなくなる事も含まれる(精神的虐待)」

「発達障害当事者会あるあるの話題です」

「発達障害は遺伝要素も強いので当事者の親も発達障害の傾向がある事が多い」

「親がアスペ的だと、子供が親の想定外の行動をとると対処できないので、親の想定内になるように強要する傾向がある。」

「親がADHD的だと、子供が言う事を聞かないとブチ切れて怒鳴ったり暴力等をふるうことが多い」

とHさんが述べました。

そして

「自分(Hさん)も親が毒親傾向」

「強要された事は数知れず」

「Mgさんの親と距離を取る事に罪悪感を持つのは分かります」

「親に自分を殺して強要されるのが当たり前だったから、自分の意思を主張する事に罪悪感持ってしまうんですよね」

「まともな親なら子供のわがままも取り合えず主張に耳は傾けるけど、~~の理由でそれはできないと答えるが、毒親は子供は黙っていう事聞けの理論で子供が主張する事すら許さない」

「自分(Hさん)は子供時代まともな反抗期がなく、最近やっと30年遅れの反抗期を迎えました(自虐笑)」

「親の過干渉だが、親を止める人間のいない核家族の弊害とも言われている。H家はまさにそれ」

「ひと昔前は祖父母・親戚・近所の煩わしいぐらいの周囲の人間たちが親の過干渉を和らげていたし、例え親に認められなくても、認めてくれる親戚や近所のおじさん・おばさんがいるだけで心が救われてた。」

「核家族にはそれがない」

「しかも自分は第一子で4歳まで一人っ子。その間両親の過干渉を一身に浴びた」

「三つ子の魂百までの言葉通り、3歳までの環境がその後の決めてしまう」

「養子縁組が盛んなアメリカで一卵性双生児の養子に出された年齢とその後の性格の相関関係の調査でも裏付けされている」

 

「自分(Hさん)の4っ下の弟は生まれた時点で兄という日よけ・日傘があったから過干渉が半減している」

 「自分には毒親でも弟には薄まって程よい厳しさの薬だったのかもしれません」

「現に弟は反抗期まともに迎えて、適度に自分の意見主張してました。」

「家庭によって兄弟の扱いは違うと思いますので違うパターンもあると思いますが、兄弟間で親への印象が違うのはあると思います。」

 Mgさんは

「親に自分を殺して強要されるのが当たり前だったから」に強く共感したようです。

また、Tさんは

「30歳になる娘(すでに独立)に最近、毒親だと言われた」

「親ガチャに外れたと言われた」

「今振り返ると長女には色々強要していたと思う」

と少し悲痛な雰囲気でお話しされ、

「しかし長女の話を聞いた次女にはそう思ったことがないと言われた」

Hさん(ファシリテータ)より

「兄弟間で親への印象が違うのはあると思います」

「Tさんの親御さんも強要する方ではありませんでしたか?無意識に親の真似をしてしまっていませんか?」

とTさんへの問いに

「確かにそうかも知れません」とTさんはお答えして

Mgさんの

「私も親と距離を置いてる」の発言に対し、

Tさんは

「長女とは今は必要最低限の連絡しかしないように距離を取っている」

と親の立場からお話しされました。

Sさんも

「障害のある弟がいて、自分と弟で親の接し方が違った」

「弟は自分の思い通りにならないと大声出して叩いてきた」

「障害だから仕方ないと自分は我慢してきた」

STUさんも

「兄と妹がいるが、下の妹だけ親は優しかった」

親・兄弟の話題がそれぞれ出ました。

     話していた結論を見出すと

    「たとえ肉親でも適切な距離を取るのが重要」

    「罪悪感も持ってしまうかも知れないが、むしろ距離を取るのが正常と考える」

    「自分を信じる心を育てる」

これはMgさんの

「今、心の筋トレをしている」

  という発言にも共通しています。

続けてHさん(ファシリテータ)から心を育てる・心の筋トレの話として、

    「心は脳の神経の集合体の事なので、心を育てる・変えるという事は新しい脳神経のネットワークを作る事」

    「新しくネットワークを作るには落ち着いた環境で時間をかけながら新しい方法を繰り返す必要がある」

    「身体を動かすのも脳神経のネットワーク」

    「例えば、箸の正しい持ち方に変えようとする時、不慣れな正しい持ち方でゆっくり繰り返し使う練習をする必要がある」

    「しかし、練習する時間がなく急いで食事を取らなくてはいけないと、慣れた悪い持ち方で食べなくてはいけなくなり、いつまでも改善できない。」

    「同様に脳神経のネットワークである『心』も、ゆっくり落ち着いて新しい考え方の練習を繰り返す環境が必要になる」

    「落ち着けない忙しい環境だと慣れた悪い考え方を続ける事になる」

    「これが適切な距離を取る事にもつながってくる」

とのことをおっしゃっていました。

 コミュニケーションも体と同じく鍛えることが必要でしょう。しかし、トレーニングの方法が間違っていると、心の状況も間違った方法になるとのことでしょうか

 次の話題提供として

Sさんより職場の人間関係の悩みとその職場の現状のお話がありました。

    「今の職場(技術職)で無視等のいわゆるイジメを受けている」

    「こちらが挨拶しても挨拶してこない」

    「一度なぜ無視するのか聞いたら、『お前と話すとムカついて声を荒げる事になる。それがパワハラと取られるのが嫌だから話しかけないようにしている』との事」

   参加者からは

    「挨拶しないのはおかしい」

    「相手がおかしいのだからそれに合わせて挨拶しないとなってはいけない。こちらは挨拶続けた方がよい」

    「必ず周囲は見てる筈」

と意見が上がりました。

ここでMgさんからSさんへの問いかけがあり

 「そこまで酷いなら転職しては?」

「(転職に対して)プライドが邪魔してませんか?」

「自分(Mgさん)は馬鹿だと思っているから、プライドはそんなにない。」

「何か馬鹿にされても、その通りだと思ってるから気にならない」

それに対しSさんは

「これまでも何度か転職している」

「外国で自営業をした事がある」

「それらを経験した上で今の仕事(技術職)に戻って来た。」

 「自分もプライドはそんなにないと思ってる。自分は周りと比べて変わってるのは自覚してるから、からかわれても気にしないようにしていたが、それが却っていじめを増長させたかもしれない」

    また再度Mgさんからの

    「人に好かれたいと思ってませんか?」

    の問いにSさんは

    「そんなに好かれたいとは思ってない」

    「まわりに10人の人がいたら好かれるのは一人位で十分とは聞いた事あるし、それでいいと思っている」

    「でも仕事を円滑するにはある程度は好かれる必要があるとは思っている」

    「職場に相談できる人はいないが、外国在住時の日本人の友人(現在も外国在住)とは今も連絡取っていて、『その職場は辞めた方がいい』とは言われている」

 Hさん(ファシリテータ)の体験談として

「自分も転職は何回もしてる。」

「今思うと合わない仕事でストレス抱えてたのに当時はしがみついてた」

「今の続いてる仕事も合うと思って転職はしていない。転職してみないと何が自分に合うのか分からないというのはある」

と話しました。    

更にHさんは

 「Sさんは転職した方が個人的に良いとは思うが、いっその事、収入を得る場として割り切るのも一つの考えなのでは?」

と続けました。

またHさんは職場も含めた、もっと大きい人間関係も含めたアドバイスとして

「人間関係のトラブルはその人との適切な距離から近すぎて生じる」

「人にはそれぞれ適切な距離がある」

「離れ過ぎていたらトラブルは起こらない」

と話されました。

 もう一つSさんからの問いかけで

「 (職場の)人間関係、それに関連して自分の障害をオープンにするか? 」

にファシリテータのHさんから

「今の職場ではあからさまに『発達障害』の名前を出さずに、苦手な事をオープンにしてます」

「2~3個の指示を立て続けに出されると覚えきれないので、『ちょっと待って下さい。』とメモを取る事を強調してアピールします。」

「介護の仕事で利用者の送迎があるが、不注意が多くて事故りかけた事が何度もあったので、送迎を外してもらってます」

「自分の職場は人数が少ないので人手不足が常につきまとうので、多少のハンデがっても使わざる得ない弱みに付け込ませてもらってる」

 give and takeは仕事では必須です。

 苦手部分は周囲に知っておいてもらった方がいいが、その分自分ができることとやることは明確にしておくべきでしょう。

 ただ、障害者として「配慮を求める」となると、そこは細心の注意が必要です。いじめのターゲットになるリスクも当然にあると考えておくべきです。

 

 

 

 

 

 

 

 

令和5年4月リアル定例会

と き 令和5年4月14日(金) 18時30分から

ところ 札幌市社会福祉総合センター 4階ボランティア研修室B

 今回は平日の夜開催でした。

 平日夜の開催は、初めてだったので、もしかして一人も来ないのでは?とも思いましたが、数人来会していただいたので、開催することができました。

 今回のテーマは、部屋の片付け、整理整頓をどうするか?

 これは、幾度ともなく、自助会で語られたテーマですが、それだけ悩んでいる人が多いということ。定型の一般人でも悩んでいる人が多いのですから、現代病とも言えるでしょう。

 A貯まる

 B捨てる

この2つを分けて考えなければなりません。

 まずA貯まる 

 相談者は貯まる要因として、何でも取っておくくせがある。そのとき聞いただけでも

①新聞紙

②(ダンボールなどの)箱

③封筒

④洗剤

を部屋に貯めて、それが、部屋を狭くする原因となる。

なぜ、貯めるのか?

①②③は、それぞれ使うことが将来あるだろう、とのこと。

将来、使うといっても、それが来月なのか来年なのかはわからない。未来の「いつか使うかもしれない」はもしかしたら一生「使わない」かもしれない。

①②は、貯めなくても、無料で手に入れることが可能です。

③にしても100円ショップで容易に手に入れることが可能です。

④はなぜ洗剤が貯まるのか?

 相談した人は、宅配サービスを利用しており、定期的に送られてくる注文票になんとなくチェックをしてしまう。

 現代のサブスクシステムと同じでなぜか注文して(買って)しまう。買い物依存症と同じで、そのものがすごく欲しいわけではない。

 宅配サービスは

1 近所にスーパーマーケット等がない

2 高齢者のように、行くことが困難

上記の条件の方には、必要かもしれませんが、この人はどちらも該当しないので、スーパーマーケットに自分が出向き、必要なものだけをその都度購入するようにアドバイスしました。

 サブスクは、無駄遣いをするように組まれているシステムです。ゲーム依存症のように、なんとなく課金してしまう。我々あるあるなので気をつけるべきでしょう。

 また、なにかに物事とりかかるには、作業を細分化するのも必要でしょう。掃除・整理・整頓となれば我々から見れば一大作業であり、取り掛かる前から嫌になります。

 細かく作業を分けることで、最初の一歩を踏み出すことができる。

 ビジネススキルを普段の生活にも応用することの見本でしょう。